必要にして十分

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二年前、バードウォッチングをしようと思って、まず双眼鏡を買うことにしました。ネットで調べるとたくさんありすぎて決められません。そこで、二万円を予算と決めてビックカメラに行きました。店頭にもいっぱい並んでいて選べないので、詳しい店員の方をお願いしますと言ったら、いかにも詳しそうなおじさんがやって来ました。

私は正直にバードウォッチング初心者であることを告げると、おじさんが勧めたのは三千円の双眼鏡でした。私は予算二万円と思っていたので、安いのはありがたいのですが、ひどく貧乏人かケチに見られた気がしました。そこで、もう少し上のクラスが欲しいと言うと、おじさんは「ま〜、性能はえろう変わらんけどな〜」と言って六千円の双眼鏡を勧め、私はそれを買って帰りました。

その双眼鏡を二年間使っていますが、よく見えていて何ら不足は感じません。小さいので上着のポケットに入るし、首からぶら下げても軽いのです。もしも二万円のゴツイのを買っていたら使いにくくてバードウォッチングそのものが嫌いになっていたかもしれません。必要にして十分、使い勝手の良いものが一番です。

とりとりNo.7  カワセミ
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カメラマンの苦労

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仕事でカメラマンに同行していました。モデル撮影で早く進行したいのにカメラマンが逆光でダメだの、ピーカンすぎるだの言って、早く撮影してくれないかな〜と思っていました。自分で鳥を撮影しだして、カメラマンの苦労がよく分かりました。いくらお目当ての鳥がいても、逆光だと真っ黒になるし、ピーカンすぎると真っ白に飛んでしまうのです。

鳥の撮影では、自分が明るい所から近づくと鳥に見つかって逃げられるので、暗い所から近づく。また、鳥を撮影する場所を想定して、逆光やピーカンすぎにならないコース取りが必要だと分かってきました。今のカメラは進歩しているので写真は撮りやすいのですが、相手は自然の動物でとても臆病です。遠くの小さな鳥を見つける画期的な機器が出て来てくれたら嬉しいのですが…。

私の写真はヒドいもので鳥が逆光で真っ黒に写ります。それをレタッチソフトで補正する時にカラー製版の知識が役に立っています。今はパソコンで簡単に色補正ができるのですが、オリジナル写真の出来映えが良くなければあれこれいじっても奇麗な写真にはなりません。とりとりカメラマンは日々修業なのです。

とりとりNo.6  ウグイス

イノシシはケブタ

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バードウォッチングのために山に向かうと決まって金網フェンスがあります。イノシシの被害から農家や観光客を守るためなのですが、昔は通れた山道が金網フェンスで通行止めになっています。金網フェンスの内側でもイノシシが鼻先で土を掘り返した跡があるので、いつどこで遭遇するか分かりません。バードウォッチングでは鳥の鳴き声がすると知らず知らずのうちに奥へ奥へ入っているのです。

もしもイノシシと鉢合わせをしたら怖いだろうと思います。ですから私はイノシシとは言わずケブタ(毛豚)と言うようにしています。毛の生えたブタと思えば鉢合わせしても「テイッ!」と叫んで蹴飛ばせるような気がするのです。また、クマには喰われますが、デカいケブタでも喰われることはないと自分に言い聞かせています。

鳥を撮影していて、山歩きの人たちがやって来て ワイワイ言って 鳥が逃げるとムカッとするので、一人でそろ〜っと、こそ〜っと歩くのが理想なのですが、深く暗い山の中では心細くなる時があります。私はまだまだ修業が足りません。どんな所でも、ただただ鳥を見て・撮ることだけを考えて歩けるようになりたいです。

とりとりNo.5  カッコウ

とうとう引っ越すことに

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バードウォッチングで 岡山市南区の 六区・七区に よく通っています。里山の 深山公園に対し、六区・七区は広大な田畑です。田んぼに鳥なんているのかと思うでしょうが、サギ類、シギ類、タカ類と 鳥の宝庫です。そして、平地なので 歩くのが楽。バードウォッチングは 鳥を求めてかなり歩くのです。鳥に近づきすぎると 逃げられるので、そ〜っと歩いて 立ち止まり、知らん顔して、また近づくという、だるまさんが転んだ戦法で、見て、撮ります。

また、六区・七区には人が少なく、たまに農作業している人を見かけるのですが、バードウォッチャーの数と同じくらいだと感じます。わが家の回りは家が密集していて、バイクでバリバリ音を出すのも、スズメのエサやりをするのも気が引けていました。そんな時、六区・七区に安い土地を見つけて衝動買いをしてしまったのです。

わが家は スーパーも 病院も 何もかもが揃っていて、便利で暮らしやすい所なのですが、自然がいっぱいというだけの六区・七区に家を建てました。老後をのんびり暮らしたいと思うようになったのはバードウォッチングを始めたからなのかもしれません。

とりとりNo.4  タゲリ

深山公園によく行きます

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岡山県南部で バードウォッチングするならどこがいいのか ネットで調べました。家の回りにいる鳥はスズメ、ドバト、キジバト、カラス、トビ、ムクドリ、ヒヨドリ、ハクセキレイで、鳥を差別してはいけせんが、どうもバードウォッチングらしくありません。

それで ネットで調べて、深山公園でヤマガラが 手に乗ることを知りました。ヤマガラは、赤と黒とクリーム色をした可愛い鳥で、私は見たことがなかったのです。本当に手乗りをするのか半信半疑で、エサになるヒマワリの種を買って深山公園へ。山の中の自然公園なのによく整備されていて、年配の方が たくさん歩いたり走ったりしていました。そこで ヒマワリの種を手に乗せるのはどうにも恥ずかしくて、人がいなくなってから やってみました。

そして、やって来ましたヤマガラ君。手をかざすと「ツイーッ、ツイーッ」と 鳴き声がして 二羽三羽私のそばの木の枝に飛んで来て、じ〜っとこっちを見ています。視線を手のひらに移した瞬間、一羽のヤマガラが私の指先にとまりました。その感触にびっくりしましたが我慢していると何羽か交代で来ては種をくわえて飛んで行きました。左手にヤマガラを乗せ、右手で写真を撮ろうとしましたが近過ぎてピントが合わず撮影はダメ。それでも面白い体験でした。

とりとりNO.3  ヤマガラ

バードウォッチングのきっかけ2

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とりとりディクレターとは
鳥撮りディクレター…鳥を撮影する演出家の意味で、バードウォッチャーですが、長年のクリエイティブ業務で培った技を駆使し、味わいのある絵をつくり出すのが目標です。

バードウォッチングのきっかけ2

家のジャロジー窓にスズメが寝に来ていました。同じ家に寝ていると思うと親近感が湧いて、スズメのことを調べたのです。すると、自然のスズメの平均寿命は2年で、冬を越せるスズメは少なく、どんどん数を減らしているようです。身近にスズメがいるのはあたり前だと思っていましたが、このままだと絶滅してしまいそうです。

それで、庭に餌台をつくりましたが 一週間は知らんぷりで、エサをやるのは やめようと思ったら、一羽二羽と来だして十羽になりました。このあたりのグループ全員集合でした。エサやりを続けると親スズメが子スズメを連れて来てエサを食べさせるようになりました。

しばらく経つと五十羽になりました。スズメは年3〜4回、4〜5個の卵を産むそうです。これで絶滅の心配はなくなり、一年を通してスズメを観察すると鳥の習性が何となく分かって来ました。一年もエサをやっているのにいっこうに懐きません。部下の指導もこういう気持ちでするべきかも。

とりとりNo.2  スズメ

バードウォッチングのきっかけ1

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とりとりディクレターとは 


鳥撮りディクレター…鳥を撮影する演出家の意味で、早い話、単なるバードウォッチャーです。

バードウォッチングのきっかけ1

とりとりディクレター以前は普通のバイク乗りで、一走りした後、児島湖のほとりで休憩をしていたのです。ふと 頭上を見ると、トビが悠然と飛んでいて…んんっ! 羽根の内側と胴体が白い! トビではない。よく見ると顔がタカのようだ。いったいヤツは何者?

それで、本屋で鳥のポケット図鑑を買って調べてみるとミサゴでした。そこで思ったのは、生まれて何十年もボ〜ッと鳥を見て来て、スズメとハトとカラスとトビしか見分けることができないが、実は何百種類もの鳥がいて、私は真実を見ようとしていなかったのです。

それから、見えないものを見るために双眼鏡を買って、見たものを残したくなってカメラを買いました。その時はバードウォッチングを本格的な趣味にするつもりはなかったので、双眼鏡とカメラはお手頃な値段で、バイクに乗る時の上着ポケットに入るものにしました。

とりとりNo.1  ミサゴ

プロフィール

TD

Author:TD
岡山県在住の男性。デザイン会社に
通っていて、週末にバイクでバード
ウォッチングに行くのが楽しみです。
広々としたところで暮らしています。

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